シャフト作品をガチで語ろうの会『もにラジ』の第1回収録が8月某日行われました。今回はゲストに海外シャフトオタクのabさんをお招きしています。海外視点から見たシャフト作品についていろいろとお話ししました。前回はたくさんの反響、お便り、DMなどなどありがとうございました。引き続きお便りとファンアートはあにもに(@animmony)のDMまで。どしどし募集中です!
◆参加者プロフィール
ab(@abf9)
元・海外オタク。いつも4割くらいしか生きてないおじさん。
シャフトアニメの定義が欲しい。
あにもに(@animmony)
シャフトアニメをたまに観るオタク。めがはーと。
おっきな入道雲を見てると、走り出したくなっちゃう。
- 【はじめに】
- 【自己紹介】
- 【Puella Magi Wikiについて】
- 【海外の評価について】
- 【アニメコミュニティについて】
- 【ファン活動について】
- 【余談】
【はじめに】
通話を開始してから『Lapis Re:LiGHTs』(2020年)5話と長田寛人作画について長々と雑談してしまった事情によりカット。
収録風景
【自己紹介】
あにもに:よろしくお願いします。われわれは結構古くからの付き合いで、お互いツイッターを始めて初期くらいのフォロワー関係なので、なんやかんやもう10年近く経ちます。まずはabさんが海外シャフトオタクという話から……。
ab:abと申します。どこかの南の国から来ました。よろしくお願いします。
あにもに:どこかの南の国!どうやって日本語を覚えたか聞いても良いですか?
ab:『ぱにぽにだっしゅ!』(2005年)を観て日本語の勉強を始めました。
あにもに:またすごいところから入りましたね。どういう風に勉強したんですか?
ab:最初は独学で文字から覚えて、次に教科書を買って文法を覚えました。もともと読書が好きで小説とラノベにも興味があったので、それを読みながら勉強して、いつの間にか西尾維新の本も読めるようになりました。
あにもに:完全に最強オタクですね。日本人でも小説が読めない人は結構いるのに、その中でも西尾維新が読めるようになるとは……。
ab:自慢ではありませんが、『化物語』(2009年)はアニメ放送前に読破していました。紆余曲折を経て今は日本で働いていますので、僕が今ここにいるのは『ぱにぽにだっしゅ!』とシャフトのおかげといっても過言ではないです。
あにもに:これもシャフトの影響力でしょうか。お互いをツイッター上で認知したのがいつ頃だったか覚えていますか?
ab:『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)の放送中だったような。
あにもに:たぶんそうですね。ちなみに自分がツイッターを始めたのは2011年1月3日で、『まどか』の放送直前くらいです。当初は情報収集目的としてツイッターを始めました。
ab:僕も似たような目的です。2010年10月に作りました。
あにもに:『咎狗の血』(2010年)の放送で毎週新情報のCMを流していたときですね。当時シャフトの新作をこんな風にCMを打つのかと驚きました。
ab:たしか第一弾か第二段がオンエアされた直後に公式アカウントをフォローするためにツイッターのアカウントを作成しました。
あにもに:ということはお互い『まどか』きっかけということでしょうか。そして放送中にお互いを認識したと。自分のabさんの第一印象は「シャフトに異常に詳しい海外オタク」でした。情報入手のスピードもめちゃめちゃ早くて、一体何者なんだと思いました。
ab:その頃はよくアニメ雑誌を購読していて、たまに日本の発売日と同日で届くことがありました。その中で、『メガミマガジン』(2010年12月号)の鹿目まどかのシルエットが載ってる記事を海外の掲示板に投稿したら、色んな所に出回ってました。
あにもに:シルエットのやつありましたね~。海外のシャフトオタクは日本のオタクよりも詳しい人がそこそこいますが、abさんはその筆頭ですね。そこからDM等で個人的にやり取りをするようになったのは、たしか某シャフト研究会きっかけだったような……。
ab:尾石達也研究会ですね。
あにもに:あの研究会があったのって『偽物語』(2012年)の頃くらいでしたっけ?
ab:たぶん『偽物語』が終わった直後です。
あにもに:まだ自分が高校生だった頃の話です。ネット上のシャフトオタクを集めて尾石さんの作風を研究する会をやりました。主催者はまた別の方だったのですが、自分は参加者集め係のようなことをやっていて、それで初めてDMしました。ただそのときはabさんは海外にいらして、タイミングが合いませんでした。
ab:その頃は日本へ遊びに行く機会はなかったので、残念ながら参加できませんでした。参加したかった……。
あにもに:『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』(2013年)の公開時も海外でしたよね?
ab:そうです。なので実はBlu-Rayが発売されるまで観られませんでした。
あにもに:ということは劇場には行けていないと。
ab:ネタバレ回避のためにずっと情報に触れないように生活をしていました。『まどか』関連のワードをミュートしたり。
あにもに:それで全部ネタバレ回避できました?
ab:だいたい6割くらいは回避できました。ただ「愛よ」は喰らいました。
あにもに:希望よりも熱く絶望よりも深い……。
ab:ただそこに至るまでの展開は何も知らなかったので、Blu-Rayを観たときは初見で楽しめました。セリフは知っちゃいましたが、コンテクストまでは分からなかったので。
あにもに:それもそうですね。abさんとはリアルでも何回もエンカウントしていて、シャフト関連のイベントに行ったらばったり出くわすといったことが多々あります(笑)。
ab:お互いイベントに参加することは特に話していないのに、「あれ、いるし!」みたいな感じで毎回遭遇しますね(笑)。
あにもに:自分はオタクと一緒に行こうといったノリが無いので本当に偶然で……阿佐ヶ谷ロフトAでやった中村隆太郎監督を偲ぶイベントでも一緒になって驚きました。
ab:あれは本当にびっくりしましたね。
あにもに:隣の席で『キノの旅 病気の国 ―For You―』(2007年)を一緒に鑑賞したのを覚えています。あと印象的だったのは『PRISM NANA THE ANIMATION VOL.4 星空編』(2016年)の完成披露上映会でも会いましたね。実際には未完成披露上映会だったものですが……。
ab:一緒に秋葉原UDXのタリーズで反省会をしました。もう4年前です。
あにもに:まあ『プリズムナナ』の話は悲しくなるので置いておきましょう。
ab:いや、自分は新房昭之監督に依存しない作品をいつもの演出陣でシャフトが作るという意味でも面白い試みだったと思います。「希望のアドバンス[前編]」もかなり評価していますよ。前編だけやって後編が公開されないのが残念です。
あにもに:たしかに試みとしては面白くて、期待値は高かったです。ただ実際には自分は希望のアドバンス編も特に評価していないので何とも言い難いのですが……とはいえ後半も宮本幸裕監督でやる予定でした。
ab:『プリズムナナ』のYouTubeで期間限定で公開された楽曲のミュージックビデオの中に「希望のアドバンス[後編]」と思しき未公開のアニメーションパートが使われてて、実はちょっとだけ制作に入っていたんじゃないかなと。今はすでに削除されてしまいましたが。
あにもに:そんなのもありましたね。あれを覚えている人が一体どれくらいいるのか正直分かりませんが……。
ab:また「メダルの国のハロウィン~ノリコと妖精~」は大谷肇監督の予定でした。いつか公開されたら前回ゲストだった苔人間さんの感想が聞きたいです。「星空編」はまあ……置いておきましょう。
あにもに:最近だと『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』のゲーム版オープニングアニメーションが公開された際にもコミケで議論しました。沼田誠也演出により、シャフト表現の表層をなぞったようなオープニングについてです。
ab:ありましたね。あとはシャフトの新作情報が公開されるタイミングであにもにさんが開くシャフト会でよく話します。『3月のライオン』(2015年)や『CRYSTAR』(2018年)のときとか。
あにもに:abさんが日本に来られるタイミングで会を開いていたので常連メンバーです。
ab:最近日本に引っ越しまして、これでイベントにもたくさん行けるぞというタイミングでパンデミックが起きてしまったのでとても残念です。
あにもに:コロナもあって、最近はオンラインで何回か通話しましたね。今回はabさんをゲストにお呼びしたので、個人的にも気になっているところであるシャフト作品における海外受容についていろいろとお話を伺いたいと思います。日本にいるだけだとなかなか見えてこないものがあると思うので、いろいろと勉強させてください。
ab:自分は『叛逆』以降は海外ファンとは関わりが少なくなっていて、遠くから見守っている感じになってはいるのですが、それでも良ければぜひ。
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