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『五等分の花嫁∽』シャフト制作に寄せて――1期11話におけるテレビ/パッケージ版リテイクの比較

『五等分の花嫁』の新作アニメをシャフトが作るという衝撃的な発表がありました!前作が別の制作会社で、続編をシャフトが担当するというのは『ネギま!?』や『キノの旅 病気の国 -For You-』のパターンを彷彿とさせ、また近年のスピンオフ/外伝的作品を手掛ける傾向(『Fate/EXTRA Last Encore』、『マギアレコード』、『ルミナスウィッチーズ』、『RWBY 氷雪帝国』等)を踏まえると、とても興味深い流れだと思います。

もちろん『五等分の花嫁∽』をシャフトが担当することになったのは、1期11話のグロスを担当したことが直接のきっかけになっているのだと思います。このグロス請けの経緯については以下のインタビュー記事が詳しいので参照してください。

1期11話は放送当時より原作ファンの間でも間違いなく絶賛に近い形で受け入れられました。個人的にも実際に劇場版を含めてシリーズを通して最高の出来だと思っています。自分も11話が収録されているBlu-ray 第5巻だけ購入していて、月1くらいで観返しているエピソードなので語りたいことはたくさんあるのですが、せっかくの機会ですのでパッケージ版でリテイクされているパートを紹介したいと思います。1期は不安定な作画が多く、リテイクも数多くあったのですが、そんな中ほとんどパーフェクトと言っても良い11話においても意外と修正が入っていることはあまり知られていないかもしれません。以下代表的なリテイクを紹介します。

すべて上がテレビ版、下がパッケージ版です。

一花の顔、服、炎のエフェクト、動きのタイミングなどが変わっています。ここの背景を夜空の星にしたのは、イメージ的にも最高の選択だと思います。

このシーンは原作でも印象深い擬似的な「キャンプファイヤーのダンス」ですが、パッケージ版では左右に二人の顔のアップがキラキラのエフェクトと共に差し込まれていて、とても美しい画面になっています。光の当たりや少し大きく聞こえるようになる焚き火の弾ける音なども絶妙で、実に巧い仕上がりで素晴らしいです。

少し寄りになっているのと、それに伴って一花の服の透け具合が控えめにエッチ過ぎない方向に変わっています。

Bパート冒頭のシーンです。ライティングが変わって色が調整されています。

一花(五月)の変装場面です。入射光が変わっています。

この他にもいろいろと変更点があるとは思いますが、きりがないのでここら辺で最後に渾身のカットを貼って終わります。原作テイストの塗りを再現してピンポイントで1カット差し込むシャフト一流の表現手法です。この回の演出は吉澤翠さんでした。

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