もにも~ど

アニメーション制作会社シャフトに関係するものと関係しないものすべて

『魔法少女まどか☆マギカ』新房昭之研究会

ゴールデンウィーク、都内某所にて「劇団新房昭之研究会のウワサ」なるものが出没したので参加してきました。

どうやらツイッターのシャフトガチ勢が集まり、『魔法少女まどか☆マギカ』1話を鑑賞しながら全カットを止めて映像分析する会のようでした。最近流行りの倍速視聴とは逆行していますが、とても濃密な討論が繰り広げられていて大変刺激を受けました。

あらためて『まどか』1話を観て最初に自分が思ったのはPANUPの使い方に関することでした。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語』との対比で考えてみると分かりやすいのですが、教室でほむらが自己紹介をするシーンを比較してみてください。テレビ版では通常のPANUPだったのに対して、劇場版では作画PAN(尺も大幅に増えている点も、本来再編集版は尺を詰める作業が求められることを考えると見過ごせないポイントだと思います)で描かれていて、後者は明らかに新房監督のテイストが滲み出ています。

劇場版とテレビ版の比較動画です。大事なPANの始点が切られてしまっていて残念ですが、違いは分かると思います。

PANUPに注目してみると、まどかと詢子が洗面所で会話するシーンで、朝の支度を終えて決めポーズをするカットが、テレビ版ではノーマルのPANUPで見せていたのに対して、劇場版ではFIXで引きの絵になっています。ここで興味深いのは、テレビ版ではキャラクターの全身を見せる紹介カットをPANUPの連続で映していたところを、劇場版では観客が最初に目撃するPANUPがほむらの渾身の作画PANになっている、という点です。

劇場版では観客がまどかの視点により入り込めるように映像を再構築してみせた、と新房監督がインタビューで述べていたと思いますが、自分の記憶が正しければそこではテレビ版の1話アバンにあたるまどかの夢のシーンをカットしたことが挙げられていました。たしかに夢のカットは大胆なアレンジなので、それと比べたら些細な違いのようにも見えるかもしれませんが、個人的にはここのPANの差異は同程度に重要な要素に思えてなりません。ほむらの作画PANのカットは実に新房監督っぽいな~と感じる部分ですが、それと同時に劇場版を観ていて一番はじめに不吉な違和感を抱く部分でもあるので、演出として非常に効果的かつ正確な描写だと思います。1話の絵コンテは芦野芳晴さんでしたが、新房監督の作風が相当出ています。

……といった余談をする時間もないくらい、研究会は充実していました。また次回も開催希望です。

『アサルトリリィ ふるーつ』Blu-rayが届きました

2021年シャフトアニメの隠れた名作こと『アサルトリリィ ふるーつ』のBlu-rayがついに発売されました。シャフトテンで購入するとあぼしまこ先生のストーリー原案4コマまんがの小冊子が付いてきて、内容がめちゃめちゃ神となっています。

実質的に原案の4コマが絵コンテのようになっているので、アニメと比較しながら観るととても楽しくフルーティーです。

↑これはあさりのみそ汁とメロンシャーベットです。
『アサルトリリィ ふるーつ』4話「めろん」(絵コンテ・演出:宮本幸裕)をイメージしながらシャフトオタクと食べました。美味しかったです~。

『RWBY 氷雪帝国』の企画についての考察

シャフトが『RWBY』の新作アニメを作るという衝撃的なニュースが流れてきて、それでいてかなり興味深いスタッフが集結していたので、企画の成立時期について推測を交えながら整理してみる。

まず、『RWBY』を制作しているルースター・ティース社のエディー・リヴァスが「4年前から企画は動いていた」とツイッターで答えていたので、少なくともプロジェクト自体は2018年辺りから始動していたものと思われる。

同じく、ルースター・ティースのマイルズ・ルナとコール・ガリアンがシャフトの荻窪スタジオに見学に訪れたのが2018年9月。このときシャフトの久保田社長と打ち合わせをしたと思われ、おそらくこの時点でシャフトが『RWBY』を作ることが決定していたか、あるいは制作会社の候補として挙がっていた。

そして監督の鈴木利正さんとビジュアルディレクターの武内宣之さんについては、鈴木さんが2019年3月まで『エガオノダイカ』をやられており、その最終話に武内さんが絵コンテとして参加されていた。当時、『さらざんまい』などもあり、武内さんもシャフトを離脱されたのかという声が一部ではあったが、このときからすでに鈴木監督/武内ビジュアルディレクターという座組は決まっていたと考えても不思議ではない(もっと以前から決まっていた可能性もあり得る)。そしてお二人とも揃って『マギアレコード』1st SEASONの1話と13話に参加されていたことも示唆的である。

『マギレコ』の制作時期もなかなか読みづらいものがあるが(忘れている人も多いかもしれないが、1期放送の段階から延期をしていた)、キャラクターデザインの杉山延寛さんは1st SEASONの総作画監督を担当していて、2期では「総作画監督補佐」という肩書きに変わっていた。また、チーフディレクターの岡田堅二朗さんも1期ではディレクターとして演出に携わっていたが、Blu-rayの特典ブックレットインタビューで「別作品をやっているため、2期には参加することができない」と発言していた。当初、これは2021年4月クールの『美少年探偵団』のことかと思われたが、今にして思うと『RWBY』についての言及も含まれていたと考えるのが自然……なのかもしれない。撮影監督の会津孝幸さんについても『美少年探偵団』以降、撮影としてクレジットされたのは今年2月に公開された大暮維人版の『化物語』の特別PVのみであった。

以上のことから、企画自体は2018年から水面下で動き始めており、2019年の3月辺りから脚本会議やその他諸々の準備が進行していた……と推測することができる。実際の本制作としては2021年6月以降に本格化したのではないかと考えられるが、とはいえこれに関しては憶測に憶測を重ねているので真偽は分からない。

そして発表時の製作コメントによると、企画はグッドスマイルカンパニーが主導しているらしく、そう考えると原案に虚淵さんやhukeさんがメインスタッフとしてクレジットされているのはわりかし納得感がある。

いずれにせよシャフトが『RWBY』のような世界的に人気の高いコンテンツをどういう風にアニメ化するのかとても楽しみで、今年のシャフトは『ルミナスウィッチーズ』もあってかなり熱い(氷雪帝国なのに!)年になりそうです。

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↑ところでこの2022年というのはいつからいつまでのことなのだろうか……。

 

考察原案:ab(@abacus_ha
文章原案:あにもに(@animmony

 

20220329追記

『連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ』2022年7月放送開始!

わくわく。

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↑これはアサリとナスとチーズのお好み焼きです。
『アサルトリリィ BOUQUET』と『ルミナスウィッチーズ』で佐伯監督作品スペシャルのお好み焼きだ!と言いながらシャフトオタクと食べました。美味しかったです~。

 

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シャフトでわっしょい2022 北米版『アサルトリリィ BOUQUET』特典映像について

↑2021年のシャフトまとめです。

このツイートでも『アサルトリリィ BOUQUET』のBlu-rayが全巻揃っていますが、これとは別にFunimation版が先月発売されました。普段は海外版まですべて買い揃えているわけではもちろんないのですが、特典として入っている映像コンテンツがあまりにもシャフトファン垂涎の内容ということもあって、さっそく購入してみました。

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公式通販のページには何故か記載されていませんが、商品画像の裏側に書いてある特典一覧を読むと、以下の映像が収録されていることが分かります。

特典
シャフト久保田光俊社長インタビュー
佐伯昭志監督&安田孝一プロデューサーインタビュー
佐伯昭志監督色紙ライブドローイング
声優西本りみ&高橋花林インタビュー
高橋花林と行くシャフトスタジオ見学
ノンクレジットオープニング&エンディング5種

……とものの見事に日本版のパッケージには収録されていない映像が盛りだくさんでして、Funimationの企画力とマーケティング力に少し嫉妬を覚えながら、すぐに注文しました。

特に気になるのは高橋花林さんによるシャフト社内のスタジオ見学映像です。かつて『ひだまりスケッチ×365』DVD2巻の特典映像で『やまぶき高校美術科 社会科見学~シャフトでわっしょい~』があったり、『ef -a tale of melodies.』の放送前特番としてtvkで放送された『ef -a tale of melodies.- ~prelude~ 放送開始直前緊急企画!後藤麻衣+その他のキノミキノママ!』があったりしましたが、それ以降長らくこの手の企画はありませんでした。

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ちなみにこの2つはいずれも2008年9月~10月のタイミングで収録しているようで、上井草の新社屋に引っ越しをしたシャフトのちょっとした浮かれ具合を垣間見ることができます。

どちらもスタッフインタビューを交えた社内見学でとても興味深い内容となっていたのですが、今回の北米版『アサルトリリィ BOUQUET』の特典映像はより制作現場の各ワークフローに密着したかたちでした。

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荻窪の制作スタジオです。オシャレなエントランスですが、ここの受付のデザインは液晶のペンタブをイメージしているらしいです。

f:id:moni1:20220202234619j:plain佐伯監督がオープニングの長田さんのパートを紹介してくれたりします。

f:id:moni1:20220202232945j:plain高橋さんが実際に作画(原画トレス)を体験したり……。

f:id:moni1:20220203001035j:plain仕上げを体験したり……。

f:id:moni1:20220202232952j:plain撮影をやったりします。

全体では16分ほどの短い尺ですが、アニメ制作工程の各セクションを実際に体験してみる、といった流れがしっかりとあったので、とても充実した内容でした。その他にも久保田社長や安田プロデューサーのインタビューなど、なかなかレアな映像が収録されています。気になり過ぎて特典映像の方から先に再生してしまいましたが、本編も英語吹き替え版が収録されているようなので、時間を見つけて観ていくつもりです。

最後に親愛なるアサルトリリィプロジェクトへ。

『アサルトリリィ ふるーつ』の円盤を出してください。

2022年初詣に行ってきました(シャフト社屋編)

新年なのでシャフトに初詣に行ってきました。ご利益がありますように。
いつも最高のアニメをありがとうございます。

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f:id:moni1:20220103001147j:plain若松が飾られていました。時女静香 初日の出Ver.のようにシャフト本社の前でダンスをひと振りしようかと思いましたが、お参りだけにしておきました。

f:id:moni1:20220103001141j:plain荻窪の制作スタジオにもお参りしてきました。3階からシャフトが入っています。

2022年は……『猫物語(白)』の年だった。